2011年8月6日土曜日

Day 38 - 旧ソ連の領域に ~ キエフ・エクスプレス (ポーランド・ウクライナ)

未明の「メーテルを乗せた999を見送る鉄郎のようにホームに取り残される事件」(前日記事参照)を引きずりつつ、ワルシャワ中央駅で朝を迎える。こちらは中央駅に併設する商業施設ゾーン。まだ朝早くて誰もいない。


切符売り場の窓口が開いたので、今日の夕方のキエフ・エクスプレスのチケットを購入。前もって購入していた昨日の同列車のチケットの払い戻しや日付変更はできなそう。キエフ・エクスプレスはワルシャワからキエフまでで630ズウォティ。日本円だと大体1万9千円弱くらい。痛い。
「昨日あんたの同僚が『車掌に直接言えば大丈夫』って言うからそうしたのにダメだったんだ。金返せこのやろう。」と喉元まで出かかるが、どうせ相手にされないうえに不快な思いをするだけなのが分かっているので、ぐっと堪える。...でもやはり黙ってられず、「昨日ここで、乗り逃したこの列車の切符で、夜中の便に乗れるって聞いたんだけどな~(チラッ)」ぐらいの、なんとも中途半端な、嫌味にもなっていない嫌味をぼそっと。窓口のおばちゃんは「フーン、で?」みたいな反応。やはり。

疲れたので昼間はどこにも出かけず、ひたすら中央駅のコーヒーショップで本読んだり、駅内のネットカフェでメールのやり取りなどして過ごす。来月から働く会社からいろいろと入社手続きの案内が来ていた。ややこしいことにちょうどその入社月から、これから入る会社が他の会社と合併するので、そちらから要請される手続きもある。合併後は会計監査も手掛けるプロフェッショナル・ファームの一部門となるので、監査の独立性担保の観点から、今保有している株式だの不動産だの預金だの、個人資産をひとつひとつ申告させられる。

やっとのことで15時を回り、キエフ・エクスプレス乗車の時間が迫る。ホームに降り、ドキドキして待つこと数十分。


ついに来たー!


ドア口に立つ車掌に切符を見せて、無事車内へ。あたりまえなのに何故かすごくほっとする。自分のコンパートメントに同乗者はいないみたい。個室状態でリラックス。

地下にある中央駅のホームをゆっくりと出発し、地上に出たあとビスワ川を渡ってワルシャワを後にする。


キエフ・エクスプレスは15:55にワルシャワ発で、キエフ到着予定は翌朝9:45。ポーランドとウクライナは1時間の時差があるので、17時間の旅。両都市間はだいたい800kmくらいで、東京から広島ほどの距離。なのに何故こんなに時間が掛かるかというと、もちろん列車自体が高速鉄道ではないのもあるけれど、国境で大きなタイムロスが発生するから。旧ユーゴの後は再びシェンゲン圏の国が続いたので、久しぶりの入出国審査。


夜の10時近く、何もない真っ暗な草っ原で列車が停まり、突如列車に検問員が乗り込んで来てパスポート回収。その後1時間半ほど掛けて出国審査終了し国境駅へ。引き続きウクライナ側の軍人が乗り込んできて入国審査。旧ソ連圏の入国審査で若干緊張。でも軍人さんは意外とフレンドリーで無事パス。

そしてもう1つのタイムロスの原因がこれ。ゆっくりと列車が工場のようなところに引き込まれていくと...


四線軌条の線路と車体を吊り上げるクレーンらしきもの。そう、ここでヨーロッパの標準軌から旧ソ連圏の広軌への台車交換を乗客を乗せたまま行う。工場のようなところの引き込み線に何回か入ったり出たりしながら、編成をいくつかに分割し、横に並べていく。そして車体を持ち上げ台車を交換。隣を見ると、結構な高さまで持ち上がっている。


ところどころ軍人が立って監視しているので、写真を撮るのに結構気を遣う。もともとヨーロッパと旧ソ連で軌間が異なるのは、軍事的な侵攻がしにくくするためという話もあるし、こういう台車交換設備も準軍事施設扱いなんだろう。

そんなこんなですべての作業とウクライナ入国手続きが終わったのは午前3時過ぎ。1時間の時差を抜いても、国境で4時間半も費やして、ようやくウクライナ側の国境駅に停車。もう寝て明日のキエフ到着に備えよう。


<本日の1枚: リフトアップ!>

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